- AdBlue®ってどういうもの?
- DPFとはちがうの?
- なくなったらどうなるの?
AdBlue®について、よく分からないと思っている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、AdBlue®の概要や、補充の目安、交換方法、保管方法まで余すことなく紹介します。
ぜひ参考にしてください。
AdBlue®(アドブルー)とは?
AdBlue®(アドブルー)とは、ディーゼルエンジンの排ガスをキレイにする浄化システムで使用される高品位尿素水のことです。
高温の排気管にAdBlue®を吹き付けて気化させ、排気ガスに含まれる窒素酸化物などの有害な排ガスに化学反応を起こして無害化しています。
専用のタンクが付属しており、尿素SCRシステム対応車に限り使用可能です。
ディーゼル車の排ガスをクリーンにする装置にはDPFもあります。
DPFについては、関連記事を参考にしてください。
高品位尿素水(AdBlue®)と尿素水の違い
AdBlue®はディーゼルエンジン車のために製造された尿素SCRシステム専用の製品です。
そのため、一般的な尿素水を代用することはできません。
AdBlue®の取り扱い上の4つのポイント
AdBlue®を取り扱うには、4つのポイントを事前に知っておきましょう。
- 燃料と同じく消費する
- なくなるとエンジンの再始動ができない
- 体につくと炎症を起こすこともある
- 製品の寿命が短い
それぞれ解説します。
燃料と同じく消費する
AdBlue®は、燃料と同じようにだんだん気化して消費されます。
およそ1,000㎞で1ℓ消費が目安です。
なくなるとエンジンの再始動ができない
AdBlue®が底をつくと、再補充するまでエンジンの始動はできません。
ただし、走行中にAdBlue®が完全に無くなったとしても、エンジンを止めなければ走行自体は可能です。
しかし、適切に排ガスをクリーンにできないため、残量はしっかりチェックしておきましょう。
体につくと炎症を起こすこともある
AdBlue®は、危険物や毒劇物ではなく、安全で無害なアルカリ性溶液です。
そのため、取り扱うために危険物取扱者などの資格も不要です。
しかし、直接皮膚や目などについた場合は、よく流水で洗い流すことが重要!
放っておくと、炎症を起こす場合もあります。
製品の寿命が短い
AdBlue®は、熱や空気(酸化)に弱い製品です。
気温がマイナス11度以下になると結晶化し、40度以上になると著しく製品寿命が低下します。
また、未開封のまま使用せず置いておくだけでも、劣化は進んでしまうのです。
劣化したAdBlue®を使うと、エラーで車を動かせなくなったり、排ガスをクリーンにする部品が根詰まりや腐食をおこしたりするケースも。
数十万円単位の高額な修理費用が必要になるため、保管場所や使用期限は必ずチェックしておきましょう。
AdBlue®補充目安について
AdBlue®は、車種による走行距離を補充目安にしましょう。
- クリーンディーゼル乗用車・バン:約6,000~12,000km
- 小型トラック(2t):約12,000~27,000km
- 中型トラック(4t):約26,000~36,000km
- 大型トラック(10t):約35,000~55,000km
例えば、アイドリング時間が長い場合はその分消費されていきますし、積載量が多い大型トラックも消費が早い傾向です。
また、AdBlue®タンクの容量は各トラックメーカーや自動車メーカーで異なりますので、所有車両のアドブルータンクの容量を把握しておきましょう。
AdBlue®の補充方法や費用、補充できる場所は?
AdBlue®の補充方法は、ウォッシャー液を入れる要領と同じで簡単に補充できます。
専用の青いAdBlue®キャップを開けて、AdBlue®を注ぎ入れるだけ。
2~3分くらいで作業完了です。
もし、保管が面倒だったり、簡単でも誰かに頼みたい場合は、ガソリンスタンドやカーショップで対応してもらえます。
乗用車・バンなら費用は、約2,000~3,500円ほどです。
AdBlue®の保管方法
AdBlue®の保管は、直射日光に当たらない常温で風通しの良いところ、しっかりと密閉しておくことがポイントです。
使用できる有効期限の目安と、保管する外気温の表を参考にしてください。
10℃以下 | 約3年 |
25℃以下 | 約2年 |
30℃以下 | 約1年 |
35℃以下 | 約6か月 |
40度以上 | 約4か月 |
外気温がマイナス11度以下で結晶化してしまうため、寒冷地は特に注意しておきましょう。
まとめ
AdBlue®(アドブルー)は、ディーゼル車の排ガスをクリーンにする尿素SCRシステム専用の高品位尿素水のことです。
燃料と同じように、車を稼働させるほどに減っていくため、適切なサイクルで補充する必要があります。
しかし、必要な免許もなく簡単に補充できるので、尿素SCRシステムが搭載されている車種のユーザーは覚えておくとよいでしょう。
ただし、保管の際には温度管理がとても大切です。
熱の劣化に弱いため、保管場所には最新の注意を払いましょう。